江戸時代前期に活躍し、「おくのほそ道」で有名な松尾芭蕉は、現在の伊賀市である伊賀国で生まれました。
伊賀市内には、松尾芭蕉ゆかりの地ならではのスポットがたくさんあります。
かつての「俳聖」に思いを馳せて、伊賀の街を歩いてみませんか?
芭蕉翁生家
芭蕉が生まれた当時の生活が再現された生家です。
旅に出てからも何度か伊賀に帰郷したと言われる芭蕉。
この生家で自分の臍の緒を見つけ、亡き父母や郷土上野への慕情を詠んだと言われる「古里や 臍のをに泣としのくれ」の句碑が、生家の脇道に建っています。
奥庭にある釣月軒(ちょうげつけん)は、最初の句集である『貝おほひ』が執筆された場所。
芭蕉が帰郷した際は、ここで暮らしたと言われています。
また、伊賀上野でしか手に入らない芭蕉翁の冊子や絵葉書も販売しています。
伊賀鉄道上野市駅前立像

伊賀鉄道上野市駅。
電車を降り、改札を出ると、広場に建ってる松尾芭蕉の立像が目に飛び込んでくるでしょう。
昭和38年(1963)10月12日、芭蕉翁270回忌に当時の上野市に寄贈されました。
製作は伊賀市出身の彫刻家・故大西徹山(本名金次郎)氏によるものです。
像の高さは2メートル60センチに及び、台座を含めると6メートルを超える大きさ。
見上げたその姿は、大空を背景に今にも新しい地に旅立とうとしているかのようです。
俳聖殿

芭蕉の姿を表現した美しい建築物である俳聖殿は、2008年3月19日に三重県の有形文化財に、さらに2010年12月24日には、国の重要文化財に指定されています。
屋根は旅笠、「俳聖殿」の木額が顔、八角形のひさしは蓑と衣姿、堂は脚部、回廊の柱は杖と足を表わしています。
毎年10月12日の芭蕉翁の命日には、『芭蕉祭』が開催され、等身大の伊賀焼の芭蕉座像が公開されます。
伊賀を訪れた際は一度は立ち寄りたい、建築美術の上でも傑作と呼ばれる美しい建物です。
上野天神宮
